世界、2回救いました
面白すぎて一気にクリアして一気に書いてるので、くそほど長いです。



ゲーマーのはしくれとして生きてきた以上、ドラクエなんて超大作、しかもとびきり評判のいい11のネタバレを食らわず生きていくのなんて難しく、すっごい大事な部分を知った状態で始めました。
知っていたのは、「ベロニカが死ぬ」「ベロニカを生き返らせるために過去に戻る」「カミュは最高の相棒」「カミュは海賊?」です。
それでも、それでも、めーーーーーーーちゃくちゃ楽しかったです!!!!!!!!


ベロニカが亡くなっていることが分かったシーンはもうずーっと泣いていました。
シルビア、ロウ、マルティナ、カミュの個別エピソードはあってセーニャとベロニカはなかったし、ベロニカ(とカミュ)だけやたらレベル上がるの早かったし(長期離脱フラグ)、何より上記のネタバレを食らっていて…
でも、なぜ死んでしまったのかはしらなくて、まさかみんなを守るために力を振り絞っていただなんて知らなくて。最期の姿があまりにかっこよくて、でも悲しくて。仲間の慟哭、ご両親やラムダの人たちの悲しみ、何よりセーニャが静かにその死を受け入れたことがきつくて…
髪を切り空へ手向けたセーニャにベロニカの力が宿るシーンでまたじわぁと涙があふれました。セーニャ、強いよ悲しいよ…!姉妹のスキルパネルが合体して美しい形になるの、熱いけど悲しい過ぎるだろ…。ついでにレベルアップするときのスキルポイントが明らかにおかしくて、これ二人分のかぁ…と気づいて追い打ちされました。

大樹崩落後の世界、あまりに厳しくてむごくて、様々な街を旅していくのがつらかったです。あんなに美しかった町が、緑が、破壊されて燃えつくされて。勇者様が来た日に生まれた赤子をはじめ、たくさんの人が亡くなっていて…表立って責められることはなかったけれど、みんなに謝りたい気持ちでいっぱいでした。
そんな中、懸命に生きるみんなの姿がとてもまぶしく見えました。
世界中を笑顔にしたいという夢をあきらめなかったシルビア。ナカマたちとのパレードはプレイヤーまで笑顔にしてくれました。幕間名の希望の旅芸人、というのもとても好きです。
ロウの話は、バニーちゃんと幸せなユグノアの幻という温度差がすごくて心えぐられました。城下町の友達、近隣諸国の人々、アーウィン、エレノア、そして最愛の孫が、平和なユグノアでのびのび育っている、これ以上ない幸せな幻をロウは断ち切って魔王討伐に行くんですよね。転んでしまった幼い主人公が、魔王に勇者の力を奪われ倒れ伏している姿に重なるシーンがめちゃくちゃ心に来ました。どこかに行っちゃうの?と語りかける幻の主人公に、「さみしい思いをさせてしまうかもしれないが」と優しく別れを告げるシーンがまた…。ロウには、ユグノア城跡でのお葬式シーンはじめいろいろ泣かされています。
マルティナの話は、グロッタの住民への仕打ちがあまりにむごくて引いた覚えがあります。「あなたたちが負けたせいでこうなっている」と言われても、戦い抜くマルティナが本当に気高くてかっこよかった。ちなみにメガモリーヌには一回倒されてしまい、バニースーツの力でザオリクしたのがめちゃくちゃ悔しかったです…!
カミュの話は、終始カミューーー!!と叫びながら遊んでいました。本編のこの時点では全然打ち明けてくれなかった妹の存在が示唆されたのも大きい。一番大切なものとして差し出すのが仲間との旅と妹の記憶って…!!記憶を失ってふらふらとさまよう姿に、早く合流させてくれーーーーー!!と悶えた思い出。

ムウレアでかくまってもらっていた主人公が、セレン様によって海上へと送り出された後、泣きそうな顔しているといわれたのがすごく心に残っています。私も、すごく悲しかった。(ここで海底王国滅んでしまったのかと思ったのですが、みんな無事で本当に良かったです…)
悲しいことが続く中で、故郷の村が最後の砦と呼ばれていて、そこでエマちゃんやペルラお母さんと再会できたシーンはすっごくうれしかったです。物語序盤、イシの村がめちゃくちゃに滅ぼされていてものすごくショックだったんですよ。だからこそ、みんなが生きていてくれたことが何よりの希望に感じました。
そこからのグレイグとのデルカダール二人旅もいいですよね。最初は敵対していたからかすごくぎくしゃくしていて、それでも勇者の力を目の当たりにして「盾となろう」といって仲間になってくれるのがたのものしいのなんのって…!カミュとの二人旅を思い出すような道中、ナプガーナ密林で「虫が苦手」という話を聞けたり、シルビアがゴリアテだったと知ってショックを受けたり、とんちき衣装着てパレードに参加してくれたり、デビルモードマルティナにたじたじになっていたり、どんどん親近感がわいていきました。

記憶喪失カミュの弱気なさまにはすっごく驚きました。丁寧語でおどおどしてて、戦闘にだすのが忍びなさ過ぎてずっとベンチでした。これがカミュの素なのだとしたら、どれだけ厳しい世界で生きて擦り切れてきたのだろう。クレイモランにたどり着くことで、そのつらい過去があかされるわけですが。
自分が送ったプレゼントで最愛の妹を呪いにかけてしまうってつらすぎないか…!?しかも、お互いがお互いを思っていることがめっちゃくちゃわかっているのに!!おまけに妹は置き去りにされたさみしさに付け込まれて魔王の手先となり、クレイモランの人たちを黄金に変えちゃうし…!!
カミュが「自分が生き残った意味は、大罪に手を染めた妹を止めること」と言ってマヤちゃんを手にかけようとするシーンは慌てて止めました。そんなことさせられるわけがない!そこで「やっぱり助けたい」とやっと本音を言ってくれてうれしかった。自分の体が黄金化してしまうのにも構わず、マヤちゃんを抱きしめるシーンはかなりぐっときました。
「黄金なんていらない!」と、心の底からマヤちゃんが望んだことで晴れて溶ける呪い。犯してしまったことは大罪だけれど、みんな生きていてよかったです…。
シルビアのお父さんとの確執もおなじく。仲間が心にためていたわだかまりを解いて絆を深めていくのはとてもじんときました。

あと、何より好きなのはみんなで勇者の剣を打ち上げるシーンです。
伝説の鍛冶場を上から見下ろすとロトの紋章になっているのもグッときましたし、BGMが”ほこら”なのもずるい。破壊天体シドーの思い出がぶんなぐってくる。
「お前のおかげで オレは贖罪を果たし マヤを救うことができた。今度は オレが お前のチカラのなる番だ!」とカミュ。最初からずっと力になってくれてたよ。
「アナタに見せてあげる。世界を救い みんなを笑顔にする…… シルビア 一世一代のエンターテイメントを!」とシルビア。次元を超えてプレイヤーまで笑顔にしてくれる最高のエンターテイナーだよ…
「エレノアよ…アーウィンよ… どうか 見守っていてくれ。おぬしらの子に 勝利と幸福があらんことを!」とロウ。ここで幸福を願うのが愛ですよね。
「あなたを守ることが 私の戦いだと思ってた。……でも それは違ったのかもしれない。あなたと共に みんなを守る…それが私の戦い!」とマルティナ。ここでようやく隣に立てたようでうれしかった。
「騎士として 俺は誓う。たとえ いかなる敵が相手だろうと 最後まで 希望を守る盾で あり続けることを!」とグレイグ。最後の砦、半ばやけになって戦っていたグレイグの希望を持った言葉にぐっとくる。
「……ベロニカ お姉さま。あなたのグズな妹も すこしは強くなれました。だから どうか心配なさらないで…… 私は 勇者様と一緒に 戦います!」とセーニャ。切ないやらたのもしいやらで言葉に詰まります。
そうして打ちあがった勇者の剣。こんなに力強い一振りがあるのかと震えました。この剣なら絶対魔王に打ち勝てると確信できる一振りです。

辛い世界の中生き抜いて、戦って、魔王ウルノーガを打倒した先、過去に戻るのがなんだかとても辛かったです。
ベロニカが生きているほうがいいに決まっている。セーニャに、あんなに悲しい成長の仕方をしてほしくない。
デルカダールだって滅んでほしくない。マルティナにとってはかけがえのない故郷なんだ。
ニマ大師はじめ大樹崩落によって死んでしまったたくさんの人も救いたい。
マヤちゃんにだってひどいことをさせたくない。
シルビアのナカマたちも、もとの人生を穏やかに歩んでいける。あの日をやり直せるなら、それがいいはずなのに。
苦楽をともにした仲間を、たくましく生きていこうとするこの世界を、置いていかなければならない。
そのことが悲しくて寂しくてたまりませんでした。

でも、ここまで来たら進むしかない!と
みなが止めてくれるのに首を振って過去に戻りました。
「また、わたしを探し出してくれますか」
「おれたちはもう一度、お前と旅をするからな!」
苦楽を共にした仲間の言葉を胸に抱いて。


時を戻り、あの日のラムダに戻って、聖堂で祈りを捧げているベロニカを見た時また涙が溢れ出ました。
ホメロスの陰湿な幻ではない、本物のベロニカ。「泣きそうな顔して」といわれたとき、プレイヤーは大抵泣いている。
おっとりした調子のセーニャに、本当に懐かしい気持ちにもなり。
あの日の仲間ともう一度大樹に登る。
今度こそ守ってみせると意気込んで、ギガデインや覇王斬で敵を蹴散らして。物騒な大剣担いでいきなり強力な技を使い始めた主人公に、みんなは何を思ったんでしょうね。

ホメロスの強襲を防ぎ、ウルノーガを倒すことができて。ベロニカが「みんなとこうしていられることがとても幸せな気がする」と言って泣いてしまった時、このときを見るために、過去に遡ったんだとじーんときました。
今度は、今度こそはベロニカと一緒だ。

デルカダールは滅びない、イシの村も穏やかな様を取り戻した、ラムダの子も生きている、ニマ大師も生きて主人公に稽古をつけてくれる、ホムラの里の救いのない悲劇も起きずに親子を救えたし、なぜかロミアは生きていてキナイと出会っているし、カミュは自身の過去を自分から打ち明けてくれて、マヤちゃんにもひどい事させずに救うことができた。
取りこぼした命を救うことができて、みな幸せになっているはずなのに、どうにもさみしさをぬぐえないのはプレイヤーの勝手ですね。
全体的にイベントがあっさりしすぎて物足りないというか。クリア後のやりこみ要素って印象。とくに勇者の剣を打つシーンがまるまるカットされたのが悲しかった。ベロニカが打ってくれるシーンがあってもよかったじゃないか!グレイグとホメロスに関しては圧倒的に過去戻った時が救いがあっていいんですけれどね。
バッドエンドが好きなわけでも、悲劇が好きなわけでもないのに、クリア後は全体的にあっさりしてて物足りない。時遡る前の仲間達のことが気がかりでしょうがない。なんというか、なんというかこの苦さこそが、ドラクエ11の味なのかな~…と思いかみしめています。
仲間たちもなんとなくあったかもしれない未来のことを覚えていそうな雰囲気ですが、作中で完全に思い出さないのはここから先をプレイヤー自身の想像にゆだねているんでしょうね。
時遡る前の仲間の話といい、ロミアのことといい、パラレルのような気がしてならないんですが、巻き戻しだとか?世界は一つに収束するとか?
あの世界に置き去りにしてしまった仲間達=今の仲間になって欲しいというか、主人公とベロニカのいない世界で寂しい思いをしてほしくないなって思ってしまうんですよ。特にロウなんて…最後の縋るようにして転んでしまうところとかめちゃくちゃ心にくる。
過去に戻るってネタバレ知っていてもこれなんですよ。主人公だけ記憶ありで戻る?という展開は知りませんでしたが。先達の全世界700万人勇者様方はいったいどうやってこのさみしさと区切りをつけたんでしょうか。

まぁでも、美しい世界をベロニカと一緒に駆け回れるのは楽しいです!それが何より、何よりなんです!
ケトス覚醒イベント大好きです。ベロニカが吹くおおぞらをとぶのイントロ聴いただけで涙がブワって溢れ出ました。このためのハープと笛。破壊天体シドーと、ドラクエ11の今までの思い出が涙腺をボッコボコにしてくる。大好きですおおぞらをとぶ。
後回しにしていたヨッチ村攻略もとても楽しませてもらいました。特に楽しかったのはドラクエ5の冒険の書の、プロポーズのリハーサルイベントです。まさか全員にプロポーズできるなんて思わないじゃないか!(大歓喜)カミュとベロニカは逆にこっちがもてあそばれたって気分になりました。(ひどい)セーニャちゃんとマルティナの反応がかわいいったら…。あとグレイグには笑わされました。
そして一番興奮したのは、ドラクエ8のトロデーン城に夜を取り戻す冒険です。11以外で唯一遊んだナンバリングタイトルが8で、その中でいっちばん好きなイベントが、トロデーン城から月影の窓を伝ってイシュマウリに会いに行くやつなんですよね。今回はまさにそのイベントの裏側!めちゃくちゃ興奮しました。
歴代遊んできた人は、ほかのタイトルに対しても同じような興奮を抱いたんでしょうか。こういうとき、その部分の熱狂を味わえないのがちょっと残念に思いました。

そんなこんなで各地を回っていたらレベルは90越え。邪神はなんだかあっさり倒してしまい、エンディングへ。(正直感慨がわかないほどあっさりでした。カミュが強すぎるともいう)
真エンディングは、これこうやってロトシリーズにつながるの!?ととっても興奮しました。ドラクエ11っていうか、0っていうか、オリジンじゃねーか!!!ナンバリングタイトル遊んでる人ほどめちゃくちゃ感慨深いんじゃないでしょうか。
それと同時に、え、また主人公が勇者になるの?それって呪われてるって言わない?いい加減解放してあげて?とも思ったりしましたが…。まぁあれは多分、イメージ映像に近いものがありますよね!

エンディングムービーは歴代の名シーンメドレーという感じで、とってもいい感じでした。歴代遊んでいない自分でもこうなんだから、歴代勇者方はたまったもんじゃなかったでしょう。
歴代最高傑作とうたわれるのも本当によくわかります。
戦闘はレベルがさくさく上がってだれるところがないし、演出も派手で楽しい。さそう踊りのモーション、みんな違っているのめちゃくちゃ凝って笑います。花が咲く咲くバンデルフォン!
グラフィックも本当にきれいで、街を探索するのがとっても楽しかったです。神の岩の水の表現、ドゥルダの雪の表現とか特にすごい。
キャラのモデリングも好き。これ以上リアルにすると不気味の谷に差し掛かって気味悪く思えるので、これくらいデフォルメ効いてるのがちょうどよく感じます。鳥山先生のデフォルメ絵柄とリアル路線ってかみ合わせ悪いと思うんですよね。
ボイス付きもめっちゃよかったです。どの声優さんもみんな癖がなくストレートに演じてくださっている。そして何より上手い。ネームドサブキャラなんて誰もかれも知っている声がする。天空のパフパフは盛大に笑わせてもらいました。
ストーリーもほんとわかりやすくて助かります。専門用語多いとわからなくなっちゃうこともあるけど、命の大樹とか勇者が魔王を倒す、とかRPG検定初級くらいの知識があればするする話が飲み込めるのもありがたい。各町のショートストーリーは実に多彩で、11まで続いてる作品なのにこのネタやってなかったの!?とびっくりし通しでした。
そして何より、美しいグラフィック×素晴らしい声優陣で彩られる魅力的なキャラクター!キャラクターを好きになってしまうと、一歩道を踏み外してはまってしまうのですが、ドラクエ11はまさにそれです。みんな大好き幸せになって・・・・
平成後期のゲームらしく、セーブポイント、ワープポイントが豊富。取り逃し要素もほとんどなく、クリア後もじっくり遊べる…いや、ほんと至れり尽くせり仕様でありがたいです。
ひとつ言うなら、見た目でデフォルト衣装を指定できれば良かったのにな、と。ストーリー中はデフォルト衣装でクリアしたかった。
本当に、ほんと~~~に素晴らしいゲームでした!ネタバレ食らってない状態でやりたかった!!そこだけが唯一の心残りです…!!
12、でたら出来たら発売日にやりたいですね。いまさらになってこんなにドラクエにはまるなんて思ってなかった。ありがとう、ドラクエー!!!!


2025/02/16(日) 22:55 感想 PERMALINK COM(0)